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N┃→ 仮想力線電磁気学
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●第27回 第2章・定説の問題点(その5)
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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。
今回も『マックスウェル方程式』に関する問題点を取り上げます。
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14.光源と電磁場
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電磁気学では、光は電磁波として扱われます。
そして、光源は、電磁場を発生させる『源(みなもと)』です。
当たり前のことですが、この『源』が無ければ電磁場は生じず、電磁波も発生し
ないことになります。
さて、この『源』が運動すると、当然、電磁場に影響が出ます。
問題は、その影響の仕方です。
もっと問題点をしぼって言うならば、
『その直接的な影響(瞬時に及ぶ影響)が、どの範囲に及ぶのか?』
ということです。
もし、その直接的な影響の及ぶ範囲が、『源』のある場所や、その極近くに限定
されるのならば、振幅や波長(周波数)は変化しても、光速度は変化しないでし
ょう。
しかし、その直接的な影響が、『源』のある場所から離れた場所にも及ぶとすれ
ば、光速度も変化してしまうことになります。
このため、光源が運動しても光速度が変化しないためには、『源』である光源の
運動が、直接的に電磁場に与える影響の及ぶ範囲が、『源』のある場所や、その
極近くに限定されなくてはなりません。
つまり、『源』である光源から少しでも離れた場所には、その直接的な影響が出
てはならない、としなければならないのです。
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15.相対性との不適合
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しかしながら、そのようにしてしまうと、下図のような電磁誘導の現象が、うま
く説明できなくなります。
←
□■ Ω □■:磁石 Ω:コイル (図1)
→
磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイル内の磁場が変化して、起電
力が生じるのは、御存知だと思います。
もし、光源から少しでも離れた場所の電磁場が、光源の運動の直接的な影響を受
けないというのであれば、当然、磁石から少しでも離れた場所の磁場もまた、磁
石の運動の直接的な影響を受けないことになるはずです。
なぜなら、磁石もまた、磁場を発生させる『源』だからです。
しかしだとすると、磁石が運動してもコイル内の磁場は変化しないことになり、
起電力は生じないことになります。
実際には、起電力は生じるのですから、これは矛盾です。
もっとも、離れた場所でも間接的には磁石の運動の影響を受けます。
つまり、磁石のすぐ近くの場所(時間とともに移動するのですが)の磁場は、磁
石の運動の影響を受けます。
それが空間を(光速度で)伝わっていくことにより、コイル内の磁場を変化させ
て、起電力を生じせしめる、というわけです。(いわゆる近接作用。)
しかし、それでは、図1のように磁石を動かした場合と、下図(図2)のように
コイルの方を動かした場合とで、違いが出てくることになります。
←
□■ Ω (図2)
→
なぜなら、磁石を動かす場合は、磁場(の変化)が伝わるのに時間がかかるから
です。
一方、コイルの方を動かす場合は、そのような時間はかかりません。
このため、相対性が満たされないことになります。
こうした不一致を解決するために、相対論によって時空をいじくるなどしなくて
はならなくなるのです。
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16.力線の理論では?
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その点、力線の理論では、こうした問題が極めて合理的に説明できます。
つまり、図1のように、磁石を運動させると、それとともに磁石からのびた磁力
線も、磁石と一緒に運動することになります。
このため、磁石の運動による、コイル内の磁場への直接的な影響が出ることにな
るわけです。
つまり、磁石が運動すると、瞬時にコイル内の磁場が変化し、起電力が生じるわ
けです。
しかも瞬時にですから、コイルの方を動かす場合と同じになるのです。
つまり、相対性が自然と満たされる、ということです。
さて、上で述べた『磁石と一緒に磁力線も運動する』という考え方は、言い換え
れば『磁石と一緒に磁場も運動する』ということです。
ですが、こういう考え方は、エーテル理論や、従来の解釈に基づくマックスウェ
ル電磁気学の考え方とは、全く相容れないものです。
こうして見てみると、ファラデーが考案した力線の理論は、近接作用の理論とは
いえ、エーテル理論や、従来の解釈に基づくマックスウェル電磁気学とは、全く
異質なものであることがわかるでしょう。
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17.マックスウェル方程式の解釈
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さて、上で述べた『離れた場所に、瞬時に影響が及ぶ』という力線の理論の特徴
は、遠隔作用の特徴と同じです。
第1章『概要』でも申し上げたように、力線の理論は、遠隔作用と非常に相性が
いいのです。
また、第1章では、『マックスウェル方程式には、遠隔作用的な解釈が可能であ
る』とも述べたことを、覚えていらっしゃるでしょうか?
実は、『源』から離れた場所には直接的な影響は及ばないとする考え方は、近接
作用の考え方なのです。
従来のマックスウェル方程式に対する解釈は、まさに『近接作用的な解釈』と言
えるわけです。
そして、だからこそ、エーテル理論と結びつくと考えられてきたのです(もっと
も、実際には、前回も述べたように、エーテルの運動の記述が出来ないなど、う
まく結びつかない部分があるのですが…)。
一方、遠隔作用的な解釈に従えば、マックスウェル方程式でも、『源』の運動に
よる直接的影響が、離れた場所にも及ぶことが、無理なく説明できるのです。
つまり、相対性が無理なく説明できるのです。
さて、この遠隔作用的な解釈に従うならば、今までの話からわかるように、光源
が運動すると、光速度が変化してしまうことになります。
この結論は、観測者の方が運動する場合と一致し、相対性が満たされることにな
ります。(前回の『13.光速度不変の論拠』の話です。)
そして、この解釈に従うと、マックスウェル方程式は、もはや、光速度不変の論
拠とはならないことになってしまうのです。
* * *
さて、次回は、光源の運動が電磁場に与える影響の問題を、数式の面から述べて
みようと思います。
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