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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第26回 第2章・定説の問題点(その4)

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今回から『マックスウェル方程式』に関する問題点を取り上げます。

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11.相対論との関連
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相対論は、ガリレイやニュートンの物理学を軽視し、マックスウェル電磁気学を
絶対視して作られた理論だとされています。
特に『光速度不変の原理』は、マックスウェル方程式に関する考察から生まれた
ものとされています。
言うまでもなく、マックスウェル方程式は、マックスウェル電磁気学の中核をな
すものです。

これは逆に言うと、マックスウェル方程式に欠陥があれば、相対論の論拠も崩れ
るということでもあります。
そこで、今回からマックスウェル方程式の問題点を指摘していこうと思います。

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12.運動の扱いがあいまい
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以前にも述べたことがありますが、マックスウェル方程式には、『速度』など運
動を記述する項がありません。
そのため、運動の扱いが非常に曖昧なものになっています。

そこで、まず、問題になってくるのが、前回も取り上げた『エーテル』の運動の
扱い方です。
マックスウェル電磁気学は近接作用の理論なので、作用を伝える媒体が必要にな
ってきます。
それが『エーテル』でした。
そこで、
『もし、エーテルが運動したら、それは電磁場にどのような影響を与えるのだ
 ろうか?』
ということを考えようとすると、重大な問題が生じてきます。
それは、マックスウェル方程式上で、エーテルの運動を記述することができない
ことです。
この理由は、すでに述べたように、肝心のマックスウェル方程式には、運動を記
述する項がないからです。

となると、マイケルソン・モーレーの実験などは、本当は正しく解析できないこ
とになることがわかるでしょう。
こうしたことから、直接、マックスウェル方程式を用いて、この実験を解析(数
値解析)することが行われないわけです。

代わりに、前々回に述べた『幾何光学の乱用』によって解析が行われることにな
ります。
定説の怪しげな実態が、こんなところからもおわかりになるのではないかと思い
ます。

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13.光速度不変の論拠
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運動の扱いが曖昧な故、運動の問題に関しては、様々な解釈が可能である(=結
果が定まらない)ことになります。
つまり、どんな結果をもでっち上げることができるということです。
このあたりは、幾何光学と似ていると言えるでしょう。

それはともかく、『光速度不変』という考えにつながる解釈とは、どういうもの
なのか見ていきましょう。

それによれば、観測者の系から見た場合、光源が(観測者に対して)相対運動し
ても、光速度は変わらないということです。

      c
  ☆ 〜〜〜〜〜> (^^)/ [c]   ☆:光源
  →v

これは、光を、エーテルを伝わる波とした場合、エーテルが観測者に対して静止
している状態と同じです。
また、これは、後にアインシュタインが考案した新エーテル理論、すなわち、『
運動を考えない実在』とも、うまくつながるものと言えるでしょう。

しかしながら、このような解釈は、本当に正しいのでしょうか?

同じ問題を、今度は光源の系から見てみましょう。
すると、観測者が運動することになります。
一方、光源から見た光速度は変わりません。
となれば、観測者は自分が運動している分、光速度が変化したと観測することに
なるはずです。

      c
  ☆ 〜〜〜〜〜> (^^)/ [c+v]
           v←

この結論は、観測者の系から見た場合と矛盾します。

この矛盾を解決するために、つまり、どちらの系で考えても、観測者からは光速
度が同じ(一定)となるように、時空をいじくるのが、相対論のやり方です。

しかし、これが唯一の選択肢というわけではありません。
『光源が運動しても光速度は変化しないという、マックスウェル方程式に対す
 る解釈が間違っている』
という考え方もあって良いはずです。
ちなみに、仮想力線電磁気学では、こちらの立場をとっています。

(注)以前にも申し上げましたが、仮想力線電磁気学は、マックスウェル方程式
   を全面的に否定する理論ではありません。ある限られた条件の下では、マ
   ックスウェル方程式は極めて良い近似を示す、としています。その点を誤
   解なさりませぬように…。

               * * *

次回は、この解釈の問題を、もう少し掘り下げて見ていきたいと思います。

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<<訂正とお詫び>>

前々回(第24回)の最後の部分で、
『詳しくは第3章で説明します。』
と申し上げましたが、これは、
『詳しくは第4章で説明します。』
の誤りです。
謹んでお詫びします。

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