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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第22回 概要(その22)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

今回は、概要の〆です。

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67.またまたスケールの問題
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前回、現象というものは、ある時間範囲の平均で把握するのと、瞬間毎で把握す
るのとでは、全然様相が違ってくることをお話ししました。

さて、『瞬間』という概念をより広義に解釈するならば、『極めて短い時間範囲
』と言うことが出来るでしょう。
あるいは、相対的に、『より短い時間範囲』と言うことが出来るでしょう。

そこで、時間範囲の長さに注目すれば、次のような言い方が出来ます。

まず、ある時間範囲の平均で把握しようとする見方を、『時間的に巨視的なスケ
ールで把握しようとする見方』と言うことが出来ます。
また、瞬間毎に把握しようとする見方を、『時間的に微視的なスケールで把握し
ようとする見方』と言うことが出来ます。

さて、時間的に巨視的なスケールで見ると『均一で静的』に見えても、時間的に
微視的なスケールで見ると『不均一で動的』であることがわかる、ということは
前回お話した通りです。
つまり、ここで気付いて欲しいのは、時間的にスケールが異なると、様相が全然
違って見えてくるということです。

このメルマガを最初から購読されていらっしゃる方は、この問題をもう何度も飽
きるほど聞かされましたね。
そうです!
異なるスケールで見ると物事が全然違って見えてくるということ。
それ故に、いろんなスケールで物事を見ることが重要だということです。

もっとも、以前お話したのは、空間的なスケールの問題でした。
物質の分布というものは、巨視的なスケールで見ると連続だが、微視的なスケー
ルで見ると不連続だということ。
そのために、近接作用が合理的とは言えないということでした。

空間的にであれ、時間的にであれ、異なるスケールで見ると、物事が全然違って
見えてくるものです。
したがって、空間的にも、時間的にも、いろいろなスケールで見るということが
重要になってくるのです。

実は、このことは物理学や自然科学に限ったことではありません。
政治、経済、文化、人間関係、…等々、この世のあらゆることに言えることなの
です。
本当はそのあたりのこともお話ししたいのですが、それをやると、それだけでも
メルマガが発行出来てしまう(本が一冊書ける)ほどになるので、このメルマガ
では触れません。
ですが、いろんなスケールで物事を見ることの重要性は、是非認識しておいて欲
しと思います。
たとえ、どのような分野に携わるにしても…。

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68.確定できる?
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さて、前回に示した素粒子の状態の概念図を、もう一度、示します。
ただし、今回は素粒子の数を二つにします。

 平均(巨視的)  △△

 瞬間(微視的)  ○×

          ×○


△は、○と×の中間値で、×<△<○という関係にあるとします。
なお、実際には、微視的な見方をした場合、素粒子は○×以外の値もとり得るの
ですが、それらを全て描くのは不可能ですから、省略しています。

それはそうと、しつこいようですが、時間的なスケールが変わると、見え方が全
然違ってきますね。
そこで、この図から気付いて欲しいことが二つあります。

まず一つは、時間的に巨視的に見ると、二つの素粒子の状態は△となりますが、
実際には、×から○という『はば』をもっているということです。
つまり、二つの素粒子の状態量△は、確定値ではないということです。

もう一つは、動的な問題です。
巨視的な見方では、どちらの素粒子も同じ△で、等しいということになります。
ところが、微視的な見方では、両者の状態は等しくありません。
それでは、どちらが○で、どちらが×の状態にあるのかということになると、我
々はそのことを把握することは出来ません。
なぜなら、我々は、微視的に、つまり、瞬間毎の状態を観測することが出来ない
からです。
現実的には、観測は全て巨視的に行われるものです。
そのため、どちらが○で、どちらが×であるということを把握できないのです。
つまり、個々の素粒子の状態を確定できないのです。

ここまで来ると、上で述べた二つのことが、量子力学における、ある概念とそっ
くりであることがわかるでしょう。
詳しくは、第4章で説明いたします。

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これで、第1章『概要』の話は終わりです。
「なんだ?、相対論や量子論に取って代わるという具体的な話は、まだじゃない
 か!」
と不満に思われるでしょうが、それは第3章以降で説明します。
この第1章は、それを理解するための基礎知識と思ってください。
実際、この章で述べたことがわかっていないと、第3章以降の話がちんぷんかん
ぷんで終わってしまう可能性があると思います。

さて話が途切れてしまうことになりますが、次回からは、第2章『定説の問題点
』に入ります。

本来なら、こうした話は、一番最初の章(第1章)にもってくるべきなのでしょ
う。
しかし、こういう順番にした方が、第2章の内容もより良く理解しやすくなるの
ではないかと思い、このようにしたしだいです。

もっとも、定説の問題点について全て語り尽くそうとすると、これまた、それだ
けでもメルマガが発行できる(本が一冊書ける)ほどになってしまい、これでは
いつまでたっても本題(仮想力線電磁気学)の話が出来ません。
そこで、以後の仮想力線電磁気学の話につながりそうな話題だけに限定して、お
話しようと思います。

それでは、次回以降を(も)お楽しみに…。

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