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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第2回 概要(その2)

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今回も引き続き、仮想力線電磁気学の概要について説明します。

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4.近接作用と遠隔作用
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電磁力や重力のように、互いに離れた場所に及ぶ力(作用)に関しては、2つの
考え方があります。

一つは、途中の空間を介して作用が伝わると考える『近接作用説』または『媒達
説』です。
アインシュタインの重力理論や、マックスウェル電磁気学や、ファラデーの理論
は、近接作用の理論です。

さて、もう一つは、途中の空間に関係せずに、物体と物体の間で作用が直接働く
とする『遠隔作用説』または『直達説』です。
ニュートンの重力理論や、仮想力線電磁気学は、遠隔作用の理論です。

要するに、両者の最大の違いは、『途中の空間』という『第三者』が、作用の伝
達に関わってくるか、こないか、という点にあるのです。
こうした『第三者』が関わってくるのが『近接作用』であり、関わってこないの
が『遠隔作用』なのです。

この違いを認識することは、後々説明する『疑似近接作用』という概念を理解す
る上でも、非常に重要になってきますので、しっかりと押さえておいて下さい。

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5.作用の伝達速度
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近接作用では、作用が途中の空間を伝わっていくために、作用が相手側に及ぶま
でには、時間がかかります。
このため、作用と反作用のタイミングがずれる、といった奇妙なことが起こるこ
とになります。

これに対し、遠隔作用では、直接相手に作用が及ぶため、所要時間を必要としま
せん。
つまり、瞬間的に作用が及ぶのです。
このため、作用と反作用のタイミングがずれることもありません。

そもそも、作用と反作用という区別は、主観的で相対的なものにすぎないはずで
す。
Aから見れば「作用」となる力も、B(相手)から見れば「反作用」となるでし
ょう。
真に相対性の立場に立つならば、作用と反作用の区別は、無意味です。

したがって、真に相対性の立場に立つならば、近接作用よりも遠隔作用の方が、
合理的であることがわかると思います。

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6.媒体と、運動の相対性
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近接作用は、作用が途中の空間が、作用を伝える媒体となります。
このため、媒体である空間に対して運動すれば、それにより、作用の伝わり方が
変化するはずです。
したがって、運動の相対性が満たされないことになります。

有名な『マイケルソン・モーレーの実験』は、媒体の相対運動による作用の伝わ
り方の変化、すなわち、運動の相対性の崩れを検出するものでした。
実験は、それを(ほとんど)検出できませんでした。
このため、近接作用では、理論と実験の矛盾を解決するために、『ローレンツ圧
縮』や『ローレンツ圧縮』という考え方が必要になってきます。

遠隔作用では、直接作用が及ぶため、媒体というものがありません。
そのため、運動の相対性が、自動的に満たされることになります。
よって、マイケルソン・モーレーの実験結果も、当たり前のこととして説明でき
ることになります。
『ローレンツ圧縮』や『ローレンツ圧縮』という考え方も不要になります。

運動の相対性を考えるならば、遠隔作用の方が有利であることがおわかりになる
と思います。

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7.遠隔作用の問題点
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以上の話だけを見ると、これだけ利点の多い遠隔作用が、なぜ、科学者たちの間
で認められないか、不思議に思うでしょう。
もちろん、これには理由があります。

一つには、電磁気現象には、『電磁波』のように、近接作用的な現象が存在する
からです。
そして、もう一つには、遠隔作用的な現象が(直接)観測されることが無いこと
です。
このため、遠隔作用は、オカルト的で非科学的なものとされてしまうのです。

仮想力線電磁気学では、『疑似近接作用』という考え方により、遠隔作用によっ
て、近接作用的な現象を説明できます。
つまり、ある条件の下では、本来、遠隔作用であるはずの作用の及び方が、あた
かも近接作用のように及ぶことが、理論的に導かれるのです。
この『疑似近接作用』については、いずれ、お話しします。
とにかく、これにより、上の二つの問題は解決されるので、遠隔作用を拒否する
理由は、もはや存在しないはずです。

ですが、一度定着してしまった(悪い)イメージは、なかなか拭えるものではあ
りません。
そこで、次回は、”遠隔作用アレルギー”を解消するための話をしようと思いま
す。

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