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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第115回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その45)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。
前回に引き続き、擬似近接作用の考え方を応用した具体例として、天体などの近
くを通過する光が曲がる現象について説明いたします。

なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。

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218.伝わりやすさの違い
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光の通り路の周りの物質の密度分布にアンバランスがあると、光は曲がります。
その原因となるものの一つとして、前回は、伝達速度の違いを取り上げました。
光の曲がりの外(内)周側では、外(内)周側に比べて、擬似エーテルとなる物
質の密度分布が低(高)く、より(非)真空的なために、伝達速度が早(遅)く
なる。
こうして生じる速度差により、光が曲がる…ということでした。

今回からは、もう一つ、より大きな原因となるものを説明したいと思います。
それは、作用(エネルギー、運動量)の「伝わりやすさ」の違いです。
光は、より伝わりやすい方に曲がるのです。
このことについて説明いたします。
なお、一回では説明しきれないので、複数回にわけて説明いたします。

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219.伝えるものは離れていていい
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ここで、改めて、擬似近接作用について復習しておきたいと思います。
説明のため、幾何光学では以下のように記述される問題を例にしてみましょう。

[図115・1]

   ☆━━━━━━□

ここで、「☆」は光源、「□」は受光体を意味するとします。

近接作用では、受光体で検出された光は、「━」部分を通ってきた(伝わってき
た)と考えます。
そのため、光を伝えたのは、「━」部分の空間(真空)ということになります。

これに対し、遠隔作用では、空間(真空)は電磁気現象に関与しません。
このため、光を伝える媒体とはなり得ないことになるわけです。

では、何が光を伝えるのかというと、周囲に存在する物質(の実体)です。
遠隔作用では、エネルギーを有し得るのは、物質のような実体のあるものだけで
す。
こうした媒体の役割を果す物質のことを、仮想力線電磁気学では擬似エーテルと
呼びます。

では、擬似エーテルとなる物質はどこにあるのかというと、それは全領域に、で
す。
つまり、全領域の(全ての)物質が擬似エーテルとなるわけです。

これは、『媒体となるものの位置が、「━」の位置でなくてもいい』ということ
でもあります。
これが、遠隔作用の特徴なのです。
遠隔作用では、作用を及ぼすものと、及ぼされるものとが、接している必要はな
く、離れていても作用は瞬時に及ぶために、媒体となるものが離れた位置にあっ
てもいいことになるわけです。
ここが、近接作用との大きな大きな違いです。

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220.検出≠実在
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遠隔作用では、作用を受けたことが検出された場合、それを及ぼしてきた相手が
全く離れた位置に存在する場合があります。
ですから、作用を検出しても、そこ(と接している微小領域)に「エネルギーや
運動量が存在していた」とは言えないのです。
エネルギーや運動量が存在していた位置は、全く離れた位置であることもあるわ
けです。

こうしたことから、遠隔作用(擬似近接作用)では、光は「実体(実在性)の無
いもの」とみなすわけです。
光(電磁波)は、あくまでも「作用の及び方の一形態にすぎない」と考えるわけ
です。
ですから、図115・1における「━」という記述は無意味ということになるわ
けです。
そもそも、遠隔作用では、作用(エネルギー、運動量)は、「━」を伝わってき
たのではないのですから。

このように、遠隔作用では、「検出=実在」とはならないのです。
だからこそ、受光体と媒体(となるもの)、あるいは、光源と媒体とが、全く離
れた位置に存在していてもいいことになるわけです。
たとえば、下図のように、です。(「・」が媒体に相当するもの、すなわち、擬
似エーテルとなる物質。)

[図115・2]

    ・・・・・・

   ☆      □

    ・・・・・・

これでも、あたかも図115・1における「━」の位置を光が伝わってきたかの
ように観測されることになるのです。
これが、遠隔作用の面白いところです。

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221.媒体も不連続
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さて、受光体や光源と媒体とが離れて存在しているということは、それらが不連
続に存在しているということです。
途中に物質が存在しない空間(真空)の部分があるわけですから。
物質(注:受光体や光源も物質!)の分布の仕方は、全く不連続ということにな
るでしょう。

さらに、媒体となる物質、すなわち、擬似エーテルとなる物質も、不連続に分布
しています。
また、物質というもの自体、その実体となるものは、不連続に分布しているもの
です。
つまり、「現実の世界は、隙間だらけ」ということです。
「実体のあるもの」は、全て、(互いに)離れて存在しているのです。

実は、擬似近接作用における「媒体に相当するもの」になる「実体のあるもの」
が離れていることが重要なのです。
その理由は、二つあります。

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222.不連続ゆえ媒体たり得る
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一つは、離れているからこそ、伝達に時間がかかることになることです。
離れていなければ、「単体」としてしか振る舞わないでしょう。
これでは、光源から受光体へ、あっという間に作用が伝わってしまいます。
「光源→『(一つしかない)媒体に相当するもの』→受光体」という二工程しか
ないのですから。
これでは、近接作用的な伝わり方にはなりません。

近接作用的な伝わり方になるためには、「光源→『媒体に相当するもの1』→
『媒体に相当するもの2』→…→『媒体に相当するものn』→受光体」というよ
うに、何工程にも及ぶリレー(注:この「リレー」という工程の存在により、伝
達に時間を要することになる。これは、作用が、運動によって誘導される電磁気
現象であることが原因。)が必要なはずです。
そういう意味で、「離れている」ことは、非常に良いことになるわけです。
隙間の数だけ「媒体に相当するもの」の数が増え、その結果、リレーの数も多く
なるわけですから。

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223.不連続と距離
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さて、もう一つの理由は、不連続ゆえに「距離」という概念が非常に重要な要素
になってくるということです。
実は、このことが、今回のテーマと深く関係があることなのです。

分布が不連続ということは、「媒体に相当するもの」間に「距離」があるという
ことです。
一方、電磁気作用の強さは、「距離」と深い関係にあります。
「距離」が近いほど、作用は強くなります。
作用が強いということは、相手に対し、より多くの仕事をすることが出来るとい
うことです。
ですから、相手に、より多くのエネルギーを与えることが出来るということにな
るのです。
そして、これは、エネルギーがより伝わりやすいということを意味するのです。

このように、「媒体に相当するもの」の分布が不連続ゆえに、それらの間の「距
離」が非常に重要になってくるのです。

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224.分布密度との関係
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一方、「媒体に相当するもの」どうしの間の距離が短いと、「媒体に相当するも
の」の分布密度は高くなりますよね。
同じ体積なら、間隔を狭めた方が、沢山入るでしょう。

以上のことから、「媒体に相当するもの」の密度が高い方が、エネルギーがより
伝わりやすいということがわかるでしょう。
つまり、「伝わりやすさ」というものに、分布密度が関係してくるわけです。

これは、分布密度に違いがあると、「伝わりやすさ」にも違いが出てくるという
ことです。
となれば、今回のテーマ、すなわち、光の曲がりとの関連も見えてくるのではな
いでしょうか?

次回は、そのことについて、より具体的に説明したいと思います。

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