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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第107回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その37)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

今回は、『時空トリック』の最も初歩的でわかりやすい実例を通して、その空虚
さを知っていただこうと思います。

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169.運動状態を変える!?
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『時空トリック』は、SFなどで用いられる特撮技術のようなものです。
それを、映像作品の上でやる代わりに、数式で記述された世界で行うのです。
ですから、『時空トリック』では、いろんなことができてしまいます。

そこで、まずは、物体の運動状態を変える(=歪曲・改竄する)ことをやってみ
ましょう。

例として、下図のように、物体○が右方向に慣性運動(等速直線運動)している
問題を取り上げてみます。

[図107・1]

 ○→・・・・・・・・・・・・

 ┴───┴───┴───┴→x

ここで、今回掲載されている図について、予めお断りしておきたいことがありま
す。
まず、今回掲載されている図は、物体が運動していく様を、一定時間ごとのスト
ロボ撮影写真ふうに描いた図だと思って下さい。
ですから、本来なら、「・」が描かれている位置には、物体が描かれているべき
なのです。
が、物体を描くと見づらくなるので、あえて「・」にしました。
また、物体のすぐ右側(隣)の「→」の位置にも「・」があるのだと思って下さ
い。

さて、この図107・1の下部に描かれているのは、物差し(の目盛り)です。
この物差しは、目盛りが等間隔になっている、ごく普通の物差しです。

次に、この物差しを、下図のような特殊な物差しに変えてみます。

[図107・2]

 ○→・・・・・・

 ┴───┴─┴┴→x’

この物差しは、目盛りの間隔が右に行くほど狭くなっていますね。

そこで、この目盛りが等間隔になるような図を考えるわけです。
そのためには、図全体を、右に行くほど引き伸ばすようにして描いてやればいい
ですね。
その結果は、下図のようになるでしょう。(ただし、厳密には不正確な図です。
念のため。)

[図107・3]

 ○→・・・ ・ ・   ・

 ┴───┴───┴───┴→x’

すると、あ〜ら不思議!(…でもないですけれど)、慣性運動(等速直線運動)
だったはずの物体○の運動が、加速運動に変わってしまっているではありません
か。
そのことは、「・」の間隔が、右へ行くほど広くなっていることを見ればわかる
でしょう。

ここで気付いてほしいのは、「右に行くほど図を引き伸ばす」ことが、時空をい
じることに他ならないことです。
別の言い方をしますと、物差しの右端を見比べればわかるように、xという座標
系(空間)の代わりに、x’という座標系(空間)を用いることにより、運動状
態を変えているわけです。
ちなみに、上の例は、右に行くほど空間を引き伸ばす操作です。

ついでながら、物差しを描いたのは、その様子が視覚的に理解出来るようにする
ためです。

このように、時空をいじる(歪める)ことによって、物体の運動状態を、思いの
ままに変えることができてしまうのです。

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171.力を生み出す!?
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さて、図107・3では、物体○が右方向に加速していることになっています。
ということは、物体○に「右方向に加速させる力(作用)」が働いている…とい
うことになるでしょう。
つまり、空間を右へ行くほど引き伸ばすことによって、右方向の力を生み出せた
わけです。

このように、時空をいじることにより、『力』を生み出すことができてしまうの
です。

もちろん、これらは全てトリック(イカサマ)です。
物体○の本当の運動状態は、慣性運動(等速直線運動)です。
時空いじりで得られた加速運動(という運動状態)は、あくまで『捏造されたも
の』にすぎません。
ですから、時空いじりで生み出された『力』も、やはり『捏造されたもの』にす
ぎないのです。
こんな空虚な屁理屈を「科学的事実」とか「科学の真理」と思う人はいないでし
ょう。

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172.力を捏造する方法
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ここで、上のトリックを利用して、実際にはありもしない『力(作用)』を意図
的に捏造する方法を考えてみましょう。

例として、『右方向への力』を捏造したいとします。
そのためには、まず、『右方向への力』が働いた場合に、物体○の運動の仕方が
どうなるのかを考えるわけです。
この場合、物体○の運動は、右方向に加速されるような運動になりますね。
そこで、そういう運動になるように、時空をいじるわけです。
すると、『右方向への力』が出来上がり…というわけです。

さて、実際にはありもしない『力』を捏造できたということは、実際にはありも
しない『場』を捏造できるということでしょう。
なぜなら、少なくとも数式の上では、『場』とは、単位あたりに働く『力』に他
ならないのですから。

そこで、次に、『場』を捏造することをやってみましょう。

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173.場を捏造する方法
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今度は、物体が実際に加速運動している問題を考えます。
例として、下図のような問題を取り上げます。

[図107・4]

 ○→・・・ ・ ・   ・       ・

 ┴───┴───┴───┴───┴───┴→z

物体○が右方向に加速していく運動をしていますね。
ということは、物体○は右向きの力を受けているはずです。
そこで、この力を説明できるような場を時空トリックにより捏造し、この力がこ
の捏造された場によるものであるとこじつけようというわけです。

さて、そのためには、まず、この図に描かれている『目盛りが等間隔の物差し』
の代わりに、下図のような特殊な物差しを用意します。

[図107・5]

 ○→・・・ ・ ・   ・       ・

 ┴───┴───────────────┴→z’

この物差しは、目盛りが右へ行くほど広くなっていますね。

この物差しの目盛りが等間隔になるように、時空をいじるのです。
具体的には、右へ行くほど縮まるように空間を歪めるのです。
すると、下図のようになるでしょう。

[図107・6]

 ○→・・・・・・・

 ┴───┴───┴→z’

慣性運動(等速直線運動)になりましたね。(「・」が等間隔。)
もちろん、これは物体○の本当の運動状態ではありません。
あくまで捏造されたものです。

さて、そこで、先ほどと逆の理屈をこねるわけです。
つまり、こうです。
本来、物体の運動状態や、時空は、図107・6のようであるはずだった。
ところが、時空が図107・5のように歪んでしまった。(時空が、右へ行くほ
ど広くなるように歪んでしまった。)
それに伴い、物体の運動状態は、図107・4のような加速運動になってしまっ
た。
この加速度を生み出したのは、以上のような時空の歪みによる『場』である。
こうして、『場』の存在が証明された…というわけです。

いかがですか?
物差しの右端を見比べればわかるように、zという座標系(空間)の代わりに、
z’という座標系(空間)を用いるという時空いじりにより、『場』が捏造でき
てしまうのです。
そして、これは、物体○を加速させる『力』の正体の説明になるのです。
すごいでしょう!?(…って、騙されてはいけませんよ。)

このように、時空をいじくれば、捏造や歪曲が思いのままなのです。
今回は空間(位置)の方だけをいじりましたが、時間をいじることでも、運動状
態の歪曲・改竄や、力や場の捏造が可能です。
また、空間と時間の両方をいじることによっても可能です。
実際の(近現代)物理学では、時空両方をいじることが行われています。
時空両方をいじった方が、個々のいじる度合いが少なくて済みますし、難解にな
るので、トリックであることがバレにくくなるからです。
時空トリックのすごさがおわかりいただけましたか?

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174.四次元と数式でKO
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もっとも、こんな説明で納得する人はいませんよね。
こんな力の説明はインチキです。
時空トリックによる『場』など、子供だましのふざけた虚構にすぎません。
こんな馬鹿馬鹿しいものを科学と思う人などいるはずがない…と思うでしょう。

ところが、そうではないのです。
こんなふざけた屁理屈を「高尚なる科学」と信じてしまう人たちが、世の中には
沢山いるのです。
それも、プロの科学者・物理学者に。

信じられませんか?
でも、事実なのですよ。
上の話を四次元の話に拡張し、光速度不変則や等価原理を加味したものを、数式
で論じたのが、かの有名なアインシュタインの一般相対性理論による重力場理論
なのですから。
『凹んだシート』という、あれです。

こうしてみると、一般相対性理論の空虚さがよくわかるでしょう。
あんなものは、上で述べた例と同様、重力の説明としては、全く空虚です!

『時空トリック』による『力』や『場』の説明は、空虚な茶番です。
上で述べたように、全く馬鹿馬鹿しい、子供騙しのトリックです。
ところが、話が四次元になり、しかも、図ではなく数式を用いた話になると、た
ちまち、その実態がわからなくなってしまうのです。
たとえ成績優秀なエリートであっても…。
人間の知能とは、まことに情けないものです。

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175.数式でしか扱えないことをいいことに
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同じようなことが、量子力学にも言えます。
なぜなら、量子力学もまた、時空トリックの世界だからです。

それにしても、相対論や量子力学では、どうしてこんなふざけたトリックが堂々
と通用してしまうのでしょうか?
それは、どちらも『数式でしか論じることが出来ない世界』だからです。
四次元の世界を図で表すことが出来ますか?
確立的存在なんてものを図でまともに表すことが出来ますか?
答えは、いずれも「No」です。
これらは、数式でしか論じられないものです。
そして、数式で論じるが故に、その空虚さもバレずに済む…というわけです。

おまけに、数式の世界は、人間が自由にいじれる世界です。
ですから、もう「何でもあり」なのです。

このように、数式でしか扱えない世界であることをいいことに、荒唐無稽な屁理
屈を思う存分こねまわせる…というわけです。
詭弁屋たちにとって、こんなに魅惑的な科学(?)は、まずないでしょう。

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176.時空トリックは反証不可能である!
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『時空トリック』には、さらに注目すべき特徴があります。
それは、時空をいじることに対する『制約』が全く無い…ということです。
そのために、「何でもあり」になってしまうのです。

この点では、天動説における周転円と同じです。
周転円には、制約がありません。
ですから、観測事実と合うように、自由に、いくらでも書き込むことができたわ
けです。
時空トリックもこれと同じで、事実と合うように、空間や時間を、自由に、いく
らでも操作することが許されるのです。
宇宙項も、この種の類にすぎません。

そして、このことから、さらに、ある重大な特徴があることに気付きます。
それは、時空トリックは『反証不可能』であることです。
ですから、その応用である相対論や量子力学も反証不可能な理論なのです!
小学生にでもわかるような矛盾がありながら、反証されてこなかったのは、こう
した理由からなのです。

御存知のように、反証不可能性は、疑似科学の特徴です。
だとすれば、相対論や量子論(量子力学)も疑似科学の可能性が大でしょう。

とにかく、近接作用に固執し続ける限り、時空トリックに頼らざるを得ないので
す。
ですから、このようないかがわしいトリックと縁を切るためには、遠隔作用に乗
り換えるしかないのです。

以上で、『時空トリック』の話を終りにしたいと思います。

              * * *

さて、次回は、再び、量子力学の話に戻りたいと思います。
存在確率と、場の理論との関係について、説明する予定です。
これは、遠隔作用への重要なステップとなる話です。
では、次回をお楽しみに…。

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