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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第105回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その35)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

前回に引き続き、「量子」という考え方が、どう「遠隔作用」という考え方に置
き換わっていくのか、見ていくことにしましょう。
仮想力線電磁気学の話ではなく、量子論・量子力学の話が続いていますが、これ
も仮想力線電磁気学の理解のためですので、どうか我慢して読んでみて下さい。

なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。

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155.位置をごまかすトリック
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前回は、「位置の不確定性」の話をしました。
これは、「エネルギーの粒子」の位置を不確定ということにすることで、(エネ
ルギーの)瞬間移動を説明しよう、というものです。

ですが、これは、「エネルギーの粒子」という考え方の矛盾をごまかすための、
ただのトリックにすぎません。
「位置を不確定ということにする」と言えば聞こえが良いのですが、それは、要
するに、「位置を確定しない」→「位置を明確にしない」→「位置をわからなく
する」→「位置をごまかす」ということに他ならないのです。
ですから、「エネルギーの粒子」の位置をごまかすことで、矛盾を解決したふり
をしているだけのトリックにすぎないのです。

もし、「エネルギーの粒子」の(各時刻における)位置を明確にしなければなら
ないということになると、下記のような図を描かざるを得なくなるでしょう。

[図101・3]

  A     B
  ◎     ○
     ↓
  ○・    ○
     ↓
  ○ ・   ○
     ↓
  ○  ・  ○
     ↓
  ○   ・ ○
     ↓
  ○    ・○
     ↓
  ○     ◎

しかし、この図では、すでに指摘してきたように、放出方向の問題や、所要時間
の問題が生じてしまいます。
そこで、「エネルギーの粒子」の位置をごまかすことで、これらの問題を解決し
たふりをするのです。

では、どうすれば位置をごまかすことができるのでしょうか?

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156.ニセモノ物量作戦
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まず、一つの方法として考えられるのは、(一つの)「エネルギーの粒子」のニ
セモノを無数に用意し、それらをあらゆる位置に配置することです。
こうすれば、どれが本物の「エネルギーの粒子」なのかわからなくなります。
それ故、本物の「エネルギーの粒子」がどこにあるのかもわからなくなります。
こうして、本物の「エネルギーの粒子」の位置がごまかせる、というわけです。

そういえば、昔、「ルパン三世」というアニメに、こんなエピソードがありまし
た。(たしか、「どっちが勝か三代目!」というタイトルだったと思います。)
ルパンのニセモノが大勢現れ、警備にあたっていた警察側が大混乱に陥る…とい
うものです。
まあ、大体、あんな感じだと思っていただければ結構だと思います。(ただし、
ルパンは警官に変装して現れるので、ここがちょっと「たとえ」としてはふさわ
しくないところなのですが…。)

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157.分身の術!?
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ニセモノ物量作戦(?)により、位置をごまかせることはわかりました。
しかしながら、ニセモノを用意するというのは、物理学ではいただけません。

そこで、ニセモノを用意する代わりに、「エネルギーの粒子」を分身させるとい
う方法を考えるわけです。
そして、この無数の「分身」を、(ニセモノの代わりに)あらゆる位置に配置す
ることで、位置をわからなくするのです。

この考え方を表しているのが、(いろいろと問題のある図ですが)前回の図10
4・1−6や図104・7・1なのです。

????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
??A?????B???????????????????????????
??◎?????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????

この図を、改めて図105・1とします。

この図105・1の「?」が、上で述べた「分身」に相当します。
「エネルギーの粒子」の(現在)位置がわからなくなっているでしょう。

さて、「エネルギーの粒子」の位置がわからないということは、それが物体Aか
ら放出されたかどうかもわからないということだ…と解釈できますね。
それにより、物体Aを◎のまま、すなわち、エネルギーをまだ放出していない状
態とすることができるというわけです。

では、「エネルギーの粒子」が物体Aから放出される(=物体Aがエネルギーを
放出する)タイミングとは、いつのことになるのでしょうか?
それは、「エネルギーの粒子」の位置がわかった時です。
そして、それは、「エネルギーの粒子」が物体Bに吸収された時なのです。

以上のことから、所要時間はゼロということになるでしょう。

一方、「?」は、物体Bの位置にもあります。
よって、物体Bまでの移動距離をゼロとすることができます。
そして、このことからも、所要時間はゼロということになります。

こうして、エネルギーの瞬間移動が説明できるというわけです。

もっとも、このあたりから、話がオカルト臭くなってくるのですが…。

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158.雲のごとく…
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分身の術(?)により、ニセモノ物量作戦(?)の欠点が克服されるのはわかり
ました。
しかしながら、本来は一つの「エネルギーの粒子」なのですから、「分身」が無
数にあるというのは、いただけませんね。

そこで、無数の「分身」の代わりに、一つの「雲」のようなものを考えるわけで
す。
この「雲」が全領域に広がっている、と考えるわけです。
そうすることで、「エネルギーの粒子」の位置をごまかそうというわけです。

この考え方を表しているのが、(これまた、いろいろと問題のある図ですが)前
回の図104・1−6’なのです。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■A■■■■■B■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■◎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この図を、改めて図105・1’とします。(念のため再度お断りしておきます
が、前回も述べたように、本当は物体Aの周りは黒のべた塗りです。)

この図105・1’の黒のべた塗り部分が、上で述べた「雲」に相当します。
「エネルギーの粒子」の(現在)位置がわからなくなっているでしょう。
こうして、分身の術(?)の場合と同様に、「エネルギーの粒子」の放出タイミ
ングや、移動距離をごまかし、瞬間移動を説明可能にしようというわけです。

つまり、まるで聖霊が満ちるように「雲」が広がっていて、そこから突然、盗人
のように、神ならぬ「エネルギーの粒子」が現れる…と説くわけです。

どうです?、ますますオカルト臭くなってきたでしょう?

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159.時間が消える!?
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さて、上で述べた図105・1’は、エネルギーの瞬間移動が起きる前の状態を
表した図です。
そして、この図の状態から、一気に下図の状態になることで、エネルギーの瞬間
移動が説明できるわけです。

  A     B
  ○     ◎


そこで、注目してもらいたいのが、エネルギーが物体Bに渡る直前までの状態で
す。
「位置の不確定性」を考えない(故に、瞬間移動が説明できない)場合は、図1
01・3のように、変化というものがありますね。
これに対し、「位置の不確定性」を考えた(故に、瞬間移動が説明できる)場合
は、ずっと図105・1’のままで、変化がありません。
この違いに注目していただきたいのです。

「変化がない」ということは、時間の経過がないことと同じ…と解釈できます。
「変化がないと、時間が定義できないから」というのが、その理由です。
時間を絶対的なものととらえるニュートン力学では、こんな考え方は認められま
せんが、時間を相対的なものととらえようとする近現代物理学では、こうした考
え方が可能なのです。
このことから、「位置の不確定性」という考え方は、時間(の経過)という概念
をなくしてしまうものだと言えることがおわかりいただけると思います。

時間(の経過)という概念が無くなることは、瞬間移動を説明する上で、都合の
良いことです。
というのは、物体Aから放出された「エネルギーの粒子」が、物体Bの位置に到
達するまで、時間(時計)が止まっていたことになるからです。
これだと、所要時間はゼロになるでしょう。

このように、「位置の不確定性」という考え方は、位置のみならず、時間をもご
まかすトリックなのです。

それはともかく、時間が消えるとまでなると、これはもう完全にオカルトの世界
でしょう。

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160.オカルトを科学にする時空トリック
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こうしてみると、「位置の不確定性」という考え方は、何ともオカルト的(ニセ
・キリスト教的)な思想であることに気付くと思います。

ちなみに、図105・1’における「雲」(の姿)は、目には見えません。(観
測できない。)
これは、まるで、「まだ誰もその姿を見た者はいない」という聖書の一節を彷彿
とさせるものです。
加えて、量子論・量子力学も相対論同様、光中心(=光崇拝)の思想ですから、
欧米でこれらの理論が熱狂的に支持されてしまったのも無理はないことと言える
でしょう。

それはともかく、このようなオカルト的思想を、科学風に仕立て上げてくれるの
が、「時空トリック」なのです。
事実、「位置の不確定性」は、時空いじくり遊戯なのです。

「位置」とは、空間に関する概念です。
ですから、「位置をごまかす」というトリックは、広義の空間トリックと言える
のです。
また、「位置の不確定性」の場合、さらに、時間の経過までをもごまかすのです
から、まさに、時空トリックです。
それも、相対論とはまた異質の時空トリックなのです。

以上の説明から、相対論や量子論・量子力学は、時空をいじくることで、現象を
説明したふりをしたり、矛盾を解決したふりをする、トリックの世界であること
がわかるでしょう。
相対論や量子論・量子力学の本質とは、なんてことはない、人を惑わす「時空ト
リック」だったのです!

そこで、次回は、量子論・量子力学の話は一時お休みにして、「時空トリックの
初歩」に関する話をしたいと思います。

ちなみに、遠隔作用の理論である仮想力線電磁気学では、このような時空トリッ
クは一切無用です。

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