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 N┃→          仮想力線電磁気学
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●第104回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その34)

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当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。

前回に引き続き、「量子」という考え方が、どう「遠隔作用」という考え方に置
き換わっていくのか、見ていくことにしましょう。
仮想力線電磁気学の話ではなく、量子論・量子力学の話が続いていますが、これ
も仮想力線電磁気学の理解のためですので、どうか我慢して読んでみて下さい。

なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。

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151.全方向に拡張する
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前々回は「方向の不確定性」について、そして、前回は「距離の不確定性」につ
いて、それぞれ説明しました。
そこで、今回は、両者を統合することにします。
「距離の不確定性」に、「方向の不確定性」のことを追加考慮することで、統合
が可能になります。
そこで、前回のメルマガを参照しながら、以下をお読み下さるよう、お願いしま
す。(前回掲載した図の中に、今回は掲載していない図がありますので…。)

まずは、厳密に言えば正しくないイメージを表す図101・4(前回分参照)の
1〜6段目について考えてみましょう。

前回示した「距離の不確定性」を考慮した図を思い出して下さい。(下図)

[図103・1−6]

  A     B
  ◎?????????????????????????????????

この図では、物体Aから一方向(右方向)に関してだけ、「距離の不確定性」が
考えられていますね。
これを全方向に関して考えるように、理屈を拡張すればいいのです。
より具体的に言うと、一方向だけにのびている「?」の並びを、(物体Aから)
全方向に対して描いてやればいいのです。
つまり、「?」の並びが、(物体Aから放射状に)全方向に向かってのびている
図です。

とりあえず、平面八方向(縦・横・斜め45度)に対してだけ拡張するならば、
こんな図になります。

[図104・1−6・α]

  ?  ?
? ? ?
 ?A?    B
??◎?????????????????????????????????
 ???
? ? ?
  ?  ?

「?」の並びが、(物体Aから)平面八方向にのびていますね。

そして、全方向に対して拡張するならば、物体Aの周りの全空間が「?」で埋め
尽くされた図になることが想像できるでしょう。
残念ながら、この図を正確に描くのは不可能なのですが、それを承知の上で、あ
えて描くならば、こんな感じになります。

[図104・1−6]

????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
??A?????B???????????????????????????
??◎?????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????

ただし、この図には、例によって例のごとく、テキスト・アートの表現上の限界
からくる問題点がいくつかあります。(毎回、すみません。)

まず、「A」や「B」の文字が描かれている部分にも「?」がある、と考えて下
さい。
また、物体Bの記述は、「?」と重なるため、省略してあります。
「?」の並びは、あらゆる方向に無限遠までのびている、と考えて下さい。
「?」は並びは、画面の奥行き方向(前後方向)にものびている、と考えて下さ
い。(図では、「?」の並びが、二次元的な広がりの方向にしか描かれていませ
んが、実際には三次元的にあらゆる方向に広がっている、と考えて下さい。)

そして、もう一つ、非常に重要なこととして、「?」の分布密度が、本当は、物
体Aに近いところほど高くなるようになっている、ということがあります。
残念ながら、テキスト・アートでは、そのことまでは表現できませんので、どう
か御了承願います。
言い忘れていましたが、これは前々回の図などにも言えることです。

図104・1−6に関しては、以上の点に御注意願います。

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152.全空間に広がって存在する
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さて、上の図104・1−6では、「?」が無数に描かれています。
そこで、「エネルギーの粒子」が本来は一個であることを示す図、すなわち、前
々回の図102・7・1’や、前回の図102・1−7・1’に相当する図のこ
とを考えてみましょう。

すると、一個の「エネルギーの粒子」が、全空間に広がって分布する形で(確率
的に)存在することがわかるでしょう。
具体的には、物体Aの周りの全空間が黒く塗りつぶされた図になります。

残念ながら、このような図を描くことは、ほとんど不可能です。
が、それでも、あえて無理を承知で描くならば、こんな感じになります。

[図104・1−6’]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■A■■■■■B■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■◎■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■と■、および、■と◎との間に、白い隙間ができてしまっている点は、どうか
御容赦下さい。(本当は黒のべた塗りです。)

また、図104・1−6同様、以下の点に御注意下さい。

まず、「A」や「B」の文字が描かれている部分も本当は黒のべた塗りである、
と考えて下さい。
また、物体Bの記述は、黒のべた塗りと重なるため、省略してあります。
黒のべた塗りは、あらゆる方向に無限遠まで広がっている、と考えて下さい。
黒のべた塗りは、画面の奥行き方向(前後方向)にも広がっている、と考えて下
さい。(図では、二次元的な広がりしか描かれていませんが、実際には三次元的
にあらゆる方向に広がっています。)

そして、もう一つ、非常に重要なこととして、物体Aに近いところほど、黒の濃
さが濃くなる(遠いところとほど薄くなる)、ということがあります。

図104・1−6’に関しては、以上の点に御注意願います。

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153.三次元でも話は同じ
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さて、残るは(図101・4の)7段目ですね。
前回同様、以下のような段階的な考え方をします。
まず、次のような図を描きます。(問題のある図ですが…。)

[図104・7・1]

????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
??A?????B???????????????????????????
??◎?????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????
????????????????????????????????????

これは、1〜6段目の図(図104・1−6)と同じです。

次に、無数にある「?」のうち、物体Bの位置の「?」だけを実在するものとし
ます。
すると、下記のような図を描くことができます。

[図104・7・2]

××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××A×××××B×××××××××××××××××××××××××××
××○×××××・×××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××

「×」は、無かったことにする「?」です。
「・」が、実在することにする「?」です。
「エネルギーの粒子」が実在することになった途端、物体Aが「◎」から「○」
に変わりましたね。
これこそ、エネルギーが(瞬間)移動した瞬間です。

そして、これに物体Bを書き込むと、

[図103・7・3]

××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××A×××××B×××××××××××××××××××××××××××
××○×××××◎×××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××××××××××××××××

となるわけです。

前回の話と全く同じですね。

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154.位置の不確定性
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以上の話から、「方向の不確定性」と「距離の不確定性」を統合するということ
は、「方向」と「距離」の両方を不確定ということにする、ということであるこ
とがわかるでしょう。
そして、それは、すなわち、「位置」を不確定ということにする、ということで
す。
このことを、当メルマガでは「位置の不確定性」と呼ぶことにします。

要するに、「エネルギーの粒子」の「位置」を「不確定」ということにすること
によって、エネルギーが瞬間的に移動する現象、すなわち、遠隔作用的現象を説
明しているわけです。
そして、実は、ここに、量子論・量子力学の狡賢いトリックが隠されているので
す。
次回は、このトリックについて追求してみたいと思います。

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